第3回「捕鯨船(ほげいせん)~鯨料理店~」
今回は、浅草大衆文化の中心地・六区の顔ともいえる「くじらの店 捕鯨舩」の店長(通称:船長)河野通夫さん。元気の人・不屈の人!河野船長のお話から、沢山のパワーを頂きましょう。読み終えた頃には、自然と足が「捕鯨舩」へと向いてしまうかも…!?
伝法院通りから六区ブロードウェイに通じる浅草六区通りの中ほどにある「捕鯨舩」。開口一番「俺が浅草だ!」のギャグで迎えてくれたのが、自他共に認める浅草応援団長であり、元芸人でもある河野船長。太陽みたいに明るく温かい人柄に魅かれて集まる個性豊かなお客様で、連日大賑わいです。
開店は昭和52年。花やしきに近い、約6坪の小さな貸店舗からのスタートでした。芸人生活に終止符を打ち、今度は料理人として若く貧しい芸人の卵たちを縁の下から支えることで浅草のお役に立ちたい。鯨という食材に“鯨(ゲイ)を食べて、芸を磨け!”という願いを込め、夫婦一丸となって懸命に働きました。途中ピンチに見舞われたこともありましたが、もうこれまでかという段になって当時はまだ珍しかったグルメ番組で紹介されたり、新聞に掲載されたり…そうこうしているうちにいつしか人気店となり、平成12年、念願叶ってついに憧れの六区に店を持つことが出来たのです。
>次ページ「行くも地獄、戻るも地獄。同じ地獄なら、進もう!」